マタイ8章（イエスは権威を行使する。その意味は・・）

この章ではイエスが権威をもつ方であることが示される。イエスは命令し、その命令になんであれイエスは服させることができた。

まずイエスは、病気に対して権威を行使している。ここでは、ライ病（皮膚病）、中風（脳血管疾患）、熱病を癒やしたこと、治したことが示される。イエスを「神の子」であり約束されたメシア、キリストと信じて、近づいた人々に対して癒しがなされた。病気に命じると病気は退散した。それらの人は癒された。

次いで、気象に対して権威を行使したことが示される。「風と海とをおしかり」になると、風は止み荒れ狂う波は穏やかになった。

さらに悪霊に対して権威を行使している。イエスは悪霊に命じ、悪霊に取り憑かれた人から悪霊を追い出すことができた。悪霊とは神に反逆してサタン（反抗者）に組した悪い天使たちである。その反逆と悪霊たちの起源についてはノアの箱舟に関する創世記の記述にでてくる。元は創造者である神様がつくった天使たちである。みな良いものたちであった。ところが、良家の子息のなかには親に反抗して家をあとにする者がでることがある。理屈はそれと同じである。みずから悪い動機を培い、それに従って神に敵対する立場をとった。そして神の家族から出て行った。そのように聖書は人間とは異なる存在で、知性をもつ者たちがいることを明らかにしている。つまり天使たちである。そして、天使たちは、良い天使と悪い天使（悪霊）とに分けることができる。

モーセの「十戒」の映画をご覧になった方はご理解いただけると思うが、そこでモーセが奇跡をおこなう権威を神から与えられたことがしめされていた。チャールトン・ヘストンのモーセがエジプトのファラオ（ユル・ブリンナー）の前で杖をヘビに変えたりなどできるようにされていた。それらの奇蹟は、モーセがたしかに神から遣わされた人物であることを（特にエジプトで奴隷状態にあって苦しんでいたイスラエル人に対して）証拠づけるものとなった。イエスの場合も同じである。イエスが権威を行使することによってしめした奇跡は、まさにイエスが神から事前に予告され、来ることになっていたキリストであることを示すものだった。当時のユダヤ人の多くは、イエスの奇蹟を見ても、彼をキリストとして受け入れなかった。しかし、キリストとして受け入れた人々はイエスの弟子となり「クリスチャン」と呼ばれるようになった。

口語訳聖書
http://bible.salterrae.net/kougo/html/matthew.html

新世界訳聖書
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/40/8#study=discover

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