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マルコ16章(女性たちの活躍 / 終わり方2種) [マルコ]

この16章も女性たちの活躍が目立つ。先の15章のイエスが息を引き取るところで、次の記述があった。

15:40また、遠くの方から見ている女たちもいた。その中には、マグダラのマリヤ、小ヤコブとヨセとの母マリヤ、またサロメがいた。 15:41彼らはイエスがガリラヤにおられたとき、そのあとに従って仕えた女たちであった。なおそのほか、イエスと共にエルサレムに上ってきた多くの女たちもいた。

多くの女性がイエスに仕えていた様子がわかる。その中にはマグダラのマリアのように名前があげられている女性もいる。

そして、16章は次のように始まる。

16:1さて、安息日が終ったので、マグダラのマリヤとヤコブの母マリヤとサロメとが、行ってイエスに塗るために、香料を買い求めた。 16:2そして週の初めの日に、早朝、日の出のころ墓に行った。

「そして、16章は次のように終わる」と書きたいところなのだが、「マルコによる福音書」には二つの終わり方があるとされている。長い終りと短い終りである。

『口語訳聖書』を見ると、16章は20節まで記述されているが、注意して見ると 9節から20節は括弧〔 ]で括られている。『新改訳聖書(注解・索引・チェーン式引照付)』も同様に20節まで記述されてはいるが、9節から20節に関して次のような脚注が付いている。

9-20 写本上の証拠から、ニ世紀になって追加された文章であることが明らかである。他の三福音書の存在を前提とし、それらの復活物語との調和をはかっている。・・後略・・

『新世界訳聖書』のマルコ16章は8節までで終わり、それ以降は記述されない。そして8節の言葉に関して、次の脚注が出ている。

マルコ 16:8 恐れていたのである: マルコの結びに関する入手できる最初期の幾つかの写本によれば,この福音書は8節の言葉で終わっている。その終わり方はあまりに唐突で元々そのようだったとは思えないと主張する人がいる。しかし,マルコの全体的に簡潔なスタイルを考えると,必ずしもそうは言えない。また,4世紀の学者ヒエロニムスとエウセビオスは,その信ぴょう性のある記録が「恐れていたのである」という言葉で終わっていることを示している。・・後略・・

上記の脚注ふたつを考慮すると、

「そして、次のように終わる」

16:8女たちはおののき恐れながら、墓から出て逃げ去った。そして、人には何も言わなかった。恐ろしかったからである。

と書いていいことになる。当方の個人的な印象からいっても、テンポのいいマルコの記述スタイルからいくと、やはり短い終わり方で「これでいいのだ」と思うのである。


口語訳聖書 マルコによる福音書
http://bible.salterrae.net/kougo/html/mark.html

新世界訳聖書 マルコによる福音書 16章
https://wol.jw.org/ja/wol/b/r7/lp-j/nwtsty/41/16#study=discover


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