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列王第二25章

この章で列王記第二は終わりである。バビロンの王ネブカドネザルによるエルサレム侵攻、ユダ最後の王ゼデキヤの処刑について記されている。みな、日付が明確である。何年何月何日に起きたかがしっかり記されている。大きな印象的な出来事について人がそうするのは自然である。そうさせずにいられなかったというのは出来事の確からしさを逆に示しているように思う。

この章の末尾に、ゼデキヤの前の王でバビロンに連れていかれたエホヤキンのことが記される。バビロンに反抗したゼデキヤとは取扱いがまったく異なる。牢屋に入れられて37年目というから、だいぶ後になっての話だが、釈放されて、当時のバビロンの王から特別に親切な扱いを受けたことが記されている。それには、彼が子孫をもうけることが関係していたようだ。ユダのダビデの血を受け継ぐ者たちの中から、メシア(キリスト)が将来現れるという神の約束(予言)があったからである。つまり、エホヤキンへの特別な扱いは神様のご意志ということになる。

舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

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  • 作者: 日本聖書協会
  • 出版社/メーカー: 日本聖書協会
  • 発売日: 1993/11/01
  • メディア: 大型本



列王第二24章

バビロンの王:ネブカドネザルが登場する。エルサレムは攻囲され、いわゆるバビロン捕囚が始まる。ユダの王はエホヤキムからエホヤキン、ゼデキヤと変わる。みな悪い王とされている。

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列王第二23章

ヨシア王が新たに見出された聖書に心を動かされ、ユダ王国に見られるありとあらゆる偶像崇拝を徹底的に排除する様子が記されている。イスラエル国民は、神と契約を結び、そこで偶像崇拝を一切おこなわないと誓約していたので、それは本来当然のことであった。これが他の国に対して為されたものであるなら、今日でいう原理主義的過激行動ということにもなろうが、神との契約下にあった国内でのことである。

そのような良い王であったヨシアであったが、エジプトからの侵略者ファラオ・ネコとの戦いで戦死する。そのあとエホアハズの3か月の支配。それに代わってエリヤキムがファラオ・ネコによって統治者に据えられ、名前をエホヤキムとされたことが示される。ヨシアのそれらの二人の子は、どちらも悪い王とされている。

23章ではヨシア王みずから、見出された聖書を朗読して他の人々に聞かせたようすが示されている。

聖書を朗読するのはいい。声にだして読むといろいろ発見がある。当方は、わざと文語訳の聖書を読んでいる。現代語にくらべると読みにくいが、疑似外国語のようなもので、考えるためのタイムラグが発生する。スッと理解できないところがいいのである。また、音韻がいい。読んでいて気持ちがいい。それで、もっぱら文語訳を用いている。その他いろいろ翻訳があるが、比較対照して読むとおもしろい。


舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

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列王第二22章

列王第二22章には、ユダ歴代の王様のなかで良い王とされるヨシアが取り上げられている。8歳で王位についたという。その父アモンは2年統治しただけで暗殺されている。その経緯についての詳細は聖書中に記されていない。

アモンを排除するために、ヨシア擁立派とでもいうべき人脈が動き、アモン王殺害を企てたのではないかと考えることもできなくはない。が、そのような記述は聖書中に無い。また、それが、たんなる思い込みであったとしても、ワルイ父親のもとに生まれ、8歳で王になった人物が、父親には似ない良い王様になるのは不自然である。その背景に、よい教育者の存在を考えたくなる。母親や母方の誰かが養育するに際して、ヨシアに良い教育を施したのだろうか。しかし、そのような情報もことさら記されてはいない。

たしかに記されてあるのは、この22章にあるように、それまで失われていた聖書の一部が見出されて読まれたときのヨシア王の反応である。心を動かされ、聖書から逸脱してしまった崇拝を正そうと努め始める。

要は、ヨシアという人物のこころの傾向が悪ではなく善に向かうものであったということが、彼の統治が良いものとなる一つの要素であったのはまちがいないようである。

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文語訳 聖書

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列王第二21章

たまたまkindleを開いたら、列王第二21章が出たので、そこを読む。マナセ王の記録のところだ。歴代のユダの王のなかでも最悪といってもいい王様である。聖書の話をすると「選民思想」を根拠に敬遠する方がいるが、神はご自分が選んだ民(イスラエル)をネコっ可愛がりしたわけではない。神と民は契約関係にあって、神はイスラエルに恵みを施しもしたが、神の教えに背く時には事前に予告されたとおりに処罰も行われた。

マナセ王はその点で、たいへん特異な経歴をもつ王である。この21章には示されていないが、マナセに関する聖書の並行記述を読むとオモシロイ。最悪の王であっても真に後悔して生き方を改めるならば、神は赦しをあたえる方であることが示される。

この21章のなかで気づく点:4節、7節から神がご自身の名前を尊ばれること。

調査したい点:マナセの息子アモンがマナセの死によって王位を継ぐが、殺害される。そしてヨシアが王に立てられる。その辺の並行記述、詳しい記録は聖書中にあったか・・?


聖書「中毒」?

聖書通読の記録とするつもりだが、ただ「通読」と書くのではなく「中毒」とした。それくらいに読んでみたいという気持ちの表明である。イエスは貧しい人は幸いと述べたが、そこには貪欲さが関係している。真に貧しい人間がもつ貪欲さである。飢えてきゅうきゅうしている人間のひもじさからくるものである。聖書、つまり「神の言葉」に対して、いつも貪欲であることは、聖書中で肯定されている。それは神との関係を強めるものとなるからである。「人はパンだけで生きるのではなく、神の言葉によって生きる」ものであるという言葉もある。三度三度の食事より、精神的なものを大切に思いたいということでもある。

舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

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  • 作者: 日本聖書協会
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